単語力がなくても英文を読みこなす法(08.07刊)

人を食ったようなタイトルですね、「単語力がなくても...」って。
でも、語学書をはじめとした実用書って、この手の売り文句のオンパレードです。
「必ずものになる...」「奇跡の...」「魔法の...」とか...
他の業界では、たとえば薬事法では誇大広告は厳しく禁じられています。しかし、出版業界ではオカルトもどきのものもセーフというわけです。まあ、本なんてなんでもありですから。
ところで、本書ではカバーの黄色の部分の宣伝文句で、
「英語目」
という表現を使い、これに
「えいごもく」
とルビをふりました。これは最近の語学書の流行を取りいれたものです。すなわち、
「英語」+「身体の器官」
です。最初にこれをやり始めたのはご存知の「英語耳」ですね。すなわち、ネイティブスピーカー(並み)の聴解力という意味です。きわめて秀逸なネーミングだと思います。
そのあと、この二番煎じを狙った類似のタイトルのついた本が次々発行されたこともよくご存知と思います。
「英語耳」「英語口」「英語脳」「英語舌」「英語喉」「英語顔」(笑)
亜流として、「単語耳」というのもあります。あざといですね。
そこで、次はなにかなぁと考えていたら思いついたのが「英語目」だったわけです。要するに、文章を読むさいのネイティブスピーカーの目の付け所という意味で。
ここまでだったら特に問題ないのですが、困ったのはこの「目」の読み方です。上の例に従えば、「えいごめ」となりますが、非常に語呂が悪い。上の例は、「英語」の次の読み方がすべて「二文字」じゃないですか。「みみ」「くち」「のう」「した」「のど」「かお」。
営業担当者は「えいごめ」を主張したのですが、どうしても語呂の悪さが気になります。しかし、「もく」にすると音読みになってしまう。どうせ音読みなら、
「英語眼」(えいごがん)
としたほうがよいのでは?という折衷案も出されました。しかし、これではなにかいかめしい感じになってしまいます。「英語目」のほうが軽い感じがしますよね。
迷った末に、初志貫徹で「えいごもく」でいくことにしました。どうせ、たかが売り文句ですし。これが好評(?)なら、次は正式に「英語目」(えいごもく)というタイトルで本を作ろうというスケベ心はもちろんあります(笑)。
というわけで、本書は「単語力がなくても...」とは大上段に振りかぶったタイトルですが、TOEICやTOEFL、大学入試などの英語の長文対策として、単語力の不足を補う読解テクニックについて述べた本です。
語源・文脈による単語レベルでの意味の類推、パラグラフリーディングの手法(案内標識、段落のタイプ分け、段落と文章の関係など)による効率的な大意把握が効果的に組み合わされています。
これらは、副題の "A Common Sense Approach ..." にもあるとおり、ネイティブスピーカーにとってはある意味「常識」であり、英米では“国語学習”のメソッドの一部に取りいれられているものです。
本書はまた、必要な事項にしぼって頁数を抑え、英文リーディングの入門書としても取り組みやすくなっています。上級の方には「不足感」「物足りなさ」があるかとは思いますが、「本格的でない」ところが本書の特徴でもあるでしょう。
P.S. 「英語〜」シリーズ(?)ですが、密かに「英語人」(えいごびと)というのを考えています。どこかの版元から出ないかな? でもこれって、まんま「ネイティブスピーカー」じゃんwww

What might have been ...
ガリレオの英作文(08.04刊)

みなさん、
「ホームページ」
って言いますよね。でも、これって間違いなんです。いや、間違いじゃないんですけど、
「ホームページ」=home page
じゃないんです。home pageって言うと、「ホームページ」の中の「トップページ」を指します。よく、英米の「ホームページ」を見ると、"HOME"っていう、リンクやボタンがありますよね。あれです。
正しくは、"web site"です。日本でも徐々に、「ウェブサイト」と言うようになりつつありますね。
まあ、「ホームページ」=素人志向、「ウェブサイト」=玄人志向といったところでしょうか。
というわけで、4月刊の『ガリレオの英作文』は、「受験参考書」であるにもかかわらず、「玄人志向」の本格的な英文ライティング書です。どうぞよろしく。
最近の傾向として、特に一般向けの語学書では
「英作文」
という言葉が使われません。代わりに「英文ライティング」といいます。「瞬×英作文」はどうなるんだよ?というツッコミにはあとで答えます。
「英作文」=「受験英語」
という図式があるからでしょう。いやですね、こういった短絡的な図式というか「思いこみ」。他には、
英文解釈または英文読解=受験
英文リーディング=実用
というのもあります。これって同じことなんですけどね。あとそれに乗っかってる出版社も。
要するに、◎×が▲◇なんですね(by 横山やすし)。これ以上は言いませんけど。
で、「英作文」と「英文ライティング」の違いはなんだよ、という話ですが、ひとことで言うと、
「英作文」=「書く」「話す」両方を含む
「英文ライティング」=「書く」だけ
ということになります。当たり前ですが。だから「英作文」は偉大なのです。「ざまあみろ、Pride」(by 前田日明)という感じでしょうか???(意味不明)
で、みなさんの気になるのはやはり『コペルニクス英作文』からの改訂点でしょう。
まず、一目でわかるのは「二色刷」になったことですね。これは最近学習参考書では「基本」でしょうか? でも本書はかならずしもその必要はないと思うんですけどね。
また、レイアウトも見やすくなったと思います。『コペルニクス』はぎゅうぎゅう詰めだったんですが、ややゆったり目にしました。
そして、なんといっても、解説が大幅に充実し、アップグレードされたことです。
例文を用いた解説(基本事項の説明)は、適宜例文をアップデートして、解説も加筆修正してあります。
さらに本書の一番の目玉は「チャレンジ問題」の解説を大幅に充実させたことです。『コペルニクス』では、残念ながら、「解説」がほとんどなく、どうしてそのような英訳になるのかわからないという「定評」がありました(方々でこの点についてご意見を拝聴しました)。なので、今回は、英訳のほぼ隅から隅まで「なぜそのような英訳になるのか」「この訳とこの訳はどういった違いがあるのか」を徹底的に解説しました。そのため、ページ数も大幅に増えてしましたが、、、
ただし、お断りしておきますが、「チャレンジ問題」はもとは「1ダース+1の挑戦」という名前だったことからもわかるように、『コペルニクス』から3題減らしてあります。これは、最近の受験生の実力と使い勝手を考慮し、現実的に消化できる分量にしたためです。
しかし、それにもかかわらず、『コペルニクス』に比べて24ページ増になっています(しかも値段は据え置き)。このことからも『ガリレオ』の充実ぶりがおわかりになるでしょう。
本書のアプローチである「発想転換」は大学入試の英作文だけでなく、社会人の方々の「英文ライティング」においても非常に有効です。実際、本書の上級編にあたる、社会人向けの『和文英訳エクササイズブック』は大変好評をいただいて売れています。
社会人の方々も本署を、自由な発想で達意の英文を書くための入門書として使っていただけば、必ず大きな効果があると信じています。

What might have been ...
新・英会話上達法(08.01刊)

突然、こんな疑問にとらわれてしまいました。
本のカバーはなぜカラー(四色刷)なのか?
(「表紙」じゃなくて「カバー」ですから、念のため)
このヴォケ、そのなの当たり前だろ、とおっしゃられてもしょうがありません。でも、思いついちゃったんです。
もちろん、中には単色刷(白黒とか)のカバーもありますが、それは特殊な効果を狙ってか、奇をてらってのものです。99.99...%の本のカバー(表紙じゃありませんよ)はカラーです。
これに対して、80%の本の本文は単色刷(白黒)です。この比率が下がるのは、「二色刷」の本がけっこうあるからです。学参は以前からそうですし、語学書も二色刷のが増えてきました。
なぜ、こうなっているのでしょうか?
それは、どんな本でも、たとえば、本文が10頁だろうが1000頁だろうが、カバーは1枚だけ、要するに「印刷代金」の問題に行き着きます。
ご想像の通り、印刷代金は単色刷→二色→三色→カラーと使う色が増えるに従って、高くなっていきます。本文の頁数が増えればさらにこれがかさみます。そして、本の製作費のほとんどをこの印刷代金がしめます。
だから、ほとんどの本の本文は単色刷なんです。
そして、もう一つ重要なことは、ほとんどの本の定価は、「製作費÷発行部数」で決まります。でも、これは実におかしなことだと思いませんか?
同じフランス料理のメニューでも、大衆的な店となんとかいう本で三つ星がついた店では、料金がかなり、だいたい倍くらい違います。
本だって、「内容」で値段が決められてもいいのではないかと思うのです。
なんで現状がそうならないかは、書くと非常に長くなってしまうので、やめておきますが、だから、本のカバーはふつうカラーなんです。まあ、社長のベンツはなぜ4ドアか、ってのと同じようなもんですかね。
で、おまえは何が言いたいのか?というと、『新・英会話上達法』は、「カバーも本文もカラー」だってこと(表紙は単色刷ですけど)、そして…原価計算を間違えちゃったってことです。嗚呼……
PS
というわけで、今回のカバーには以下のような「兄弟」が存在します。2番はなかなか捨てづらかったので、「扉」として残しました。3番はタイトルの書体とレイアウトが異なります。6番は3番から発展したもので、現行の(↑)とオビの色だけ違うものです。ホント言うと、自分はこっちの方がよかったのですが、第三者(複数)の意見をもとに黄緑色の方に決めました。もちろん、これら以外にも細部をマイナーチェンジした別案が数限りなく存在します。
こんな裏舞台をへて本は作られていくんですね。合掌。
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基本英文法スーパーテク222(07.11刊)

みなさん、お気づきでしょうか?
最近(といっても10年くらい前から)、語学書を中心に本文の紙の色が、クリーム色→真っ白と変わってきていることを。本文用紙の色の白色化が進行しているのです。
これはおそらく、白い方が「モダン」「おしゃれ」な感じがするからだと思われます。これに対してクリーム色は、ちょっと野暮ったいというか、古くさいというか、下手すると「黄ばんでる」なんて勘違いされる恐れもあります。
しかし、2つのうちで、「目にやさしい」=「読みやすい」のは明らかにクリーム色の方でしょう。白い紙はパッと見はいいんですが、読んでいると、目の疲れが早いように感じます。
実は自分も↓の本では、上で述べたような感じを出したかったので、白い紙を使ったんですけど、今から読み返すと、どうもよろしくない。やっぱクリーム色の方が読みやすいですね。
で、今度の本ではまたクリーム色の紙にしたというわけです。読者はそんなこと気にしないのかもしれませんが、毎回、紙の選択には悩みがつきません。
あ、この本のタイトルの「222」は、奥付にも明記しましたが
「にーにーに」
と読みます。また、「基本英文法スーパーテク222」では長ったらしいので、
「スパテクにーにーに」
と呼んでください。
えっ、「スパテク」って、どっかの本にあるって?
そう! それもシリーズもので。実は最初は「基本英文法スパテク222」の予定だったんですが、それで泣く泣く現行のタイトルにしたという裏事情です。
このようにして本はみなさんの目に触れるようになるわけです。
PS 実は、カバーデザインも、月面着陸とは全く違う別バージョンがありました。それもここで公開しちゃいましょう。こっちの方がよかったなんて言わないでくださいね。(ご覧のように最初は220だったんです^^;)
あと、これとは別に、最近の傾向として、「厚い紙を使って少頁数&高価格のごまかし」というのもありますが、それについてはまた別の機会に。
英文法の意外な穴 -- 53 Essays for Curious People(07.06刊)

本書の編集過程で一番難航したのは、
タイトル付け
でした。ご存知のとおり、本書は小サイトで連載していた「日本人が知らない英文法・語法」をもとに執筆されたものです。しかも、その連載そのものが、既刊の『日本人が知らない英文法』(小社刊)の続編に当たるものです。ですから当初は、
「続・日本人が知らない英文法」
「日本人が知らない英文法・2」
などとしようかと考えていたのですが、既刊書と本書では執筆のスタイルが大きく異なっていますし、レベルもぐっと「庶民的」になっています。(それでもかなりアカデミックですが) なので、違う方向性を模索しました。
企画の趣旨はやはり、「日本人の英語学習者が見過ごしやすい・誤りやすい英文法のポイント」ですが、それに加えて、著者のバーナード先生が「学習に対して好奇心のある人に読んでもらいたい」(逆に言えば、安直なものを求める人は読んでもらわなくてもいい、ということになります。思い当たる人はいませんか?)と望んでいらっしゃったことをあわせて考えてみました。実際に本書は、そういった英語のパズル的な楽しさについても多く扱っています。
誤りと好奇心………
この2つを突き詰めて考えをめぐらしていたときに、ふと浮かんだ単語が
「穴」
だったのです。「穴」には、誤りやすい点 -- すなわち「落とし穴」としての「穴」のほかに、好奇心の対象 -- すなわち「覗き文」としての「穴」という2つの意味があります。そういえば、ちょっと前に「〜の穴」っていう映画もありましたね。
そこで、早速調べると、英語の本でタイトルに「穴」のついた本はまだありません。「落ちる穴」に「覗く穴」(覗はむずかしいのでひらがなで)、いいぢゃないですか!(「じ」じゃなくて「ぢ」の気分だったのです)
そこで、最初は『日本人英文法の意外な穴』で決まり!と考えました。
しかし、、、最近、英語の本ってやたら「日本人」のつく本が多いと思いませんか? これでもかと日本人英語の誤りや無知さを指摘してくる。そんなに、日本人は英語を知らないのでしょうか? 読者の方々も、いい加減「日本人云々」の英語本には飽き飽きしているのでは?……と考えた末に(著者からの提案もありました)、「日本人」は思い切ってとってしまうことにしました。
『英文法の意外な穴』
すっきりして、いいぢゃないですか(またもや「ぢ」の気分)。でも、ほんとは、「日本人」を付けた方が売れるんじゃないか…との心残りもあったことを告白しておきます(ここは「じ」の気分ですね)。
というわけで、類書にありがちな、「日本人はここができないから直しなさい!ケケケっ」とい一方的な内容ではなく、「こういう点が間違いやすいから、こう勉強するといいですよ」といった英語上達のTips(学習法)も織り込んだやさしい本ができあがりました。
もちろん、内容的にかなり高度な知識も扱っています(たとえば、「複雑怪奇、しかし、よく使われる表現」など)が、そこはみなさんの「好奇心」を引っ張り出して、「知る喜び」を味わってほしいと思います。
英語の言い分 -- 英米社会の深層に迫る450の表現(07.06刊)

本書のオビの文言にぎくっとされた方もいらっしゃることでしょう。そりゃそうですよね。いきなり英米人から "What planet are you on?" (君はどの惑星にいるのか?) なんて問いかけられたら、誰もがパニックに陥るでしょう?
この表現は、もちろん一種の修辞疑問文で意味するところは、「君はちょっとは現実離れしていないかい」ということです。まあ、何となくはわかりますよね。でも、辞書を引いてみても、この表現が「どうして」そのような意味になるかはたいてい載っていません。
英語にはこんな独特の言いまわしがそれこそ山ほどあるんです。みなさんも今まで、学校や受験勉強あるいはビジネスでその一端に触れてきたことでしょう。なぜそんな意味になるかは知らないまま、、、
本書は、そんな「字面からは想像もできない意味」に、あえて字面から、すなわち、「直訳」を通して挑んだ本です。もちろん挑んだのは著者の木戸充先生ですが。
編集作業中一番苦労したのは、それらの表現の面白さをいかに読者のみなさんにわかってもらうかということです。この手の本はややもすると、単なる雑学集(最近ではトリビアっていうんでしょうか)か、著者の自己満足の集大成に陥ってしまう危険性があります。
著者や編集者だけが面白くても、お客さんが興味を持ってくれなければ、本はあっという間に返品の山、再び書店で日の目を見ることはありません。そういった意味から、実際によく用いられ、実用にも役立ち、しかも、その表現自体が面白い、というものを厳選したのが本書です。(そのつもりです)
本書の最大の特徴は、「直訳」をまず提示して、そこからその表現の成り立ちに立ち入ることです。この「直訳」がすなわと「英語の言い分」なのです。そういった「英語の言い分」が辞書や参考書で提示されることはまずありません。上の "What planet are you on?"でしたら、
What planet is A on [from]?
?話・おどけて?A<人>は現実離れしていないかい.
(ウイズダム英和辞典)
などと、実際の意味が載っているだけですね。これでは、この表現の本質はつかめません。本書は、まずこういった「英語の言い分」を聞いてあげる(すなわち、直訳から意味を探る)ことから、さまざまな表現にアプローチしていきます。
本書を通読されれば、それぞれの言い回しの本当の意味がわかるばかりでなく、それらが成立した歴史・社会的背景にも触れることができ、英米社会という、我々の文化とは異なる文化をもった社会の根の深い部分に立ち入った気分を味わえることでしょう。
また、本書にある例文はすべて、サンダーソン先生が校閲を行った、使える英文です。ネイティブスピーカーとの会話や、英文ライティングにもぜひ本書をご活用ください。
英語の先生方は、今すぐ本書を読んで、明日から生徒さんたちに、うんちくを披露してあげてください。たまには寒い冗談はやめにして、、、
続編も企画していますので、乞うご期待!
P.S. それにしても、書店員のみなさんはどうして本書のタイトルを「〜のいいわけ」と読みたがるんでしょうか???
「いいわけ」でしたら、「言い訳」か「言い分け」だと思うんですけどね、、、
大学入試 鬼塚のミラクル英文108(07.02刊)

本書のタイトルの読み方は
「オニヅカのミラクル…」
です。
「オニヨメのミラクル…」
ではありません。念のため。
某取次、某営業所の某様、お気を付けください。(笑)
本当にあった痛い話、でした。
実は知らない 英文法の真相75(06.12刊)
これまで、語学書や学習参考書の編集をやってきて気になっていたのは、「文法用語」と「その実態」の乖離です。
たとえば、おかしいと思ったことはありませんか?
「過去形」の意味するのは、「過去」だけではありません。「仮定法過去」では、現在のことを「過去形」で表します。「現在完了形」で使われるのは「過去分詞」です。
「現在形」では、今日のことも三日前のことも、さらに明日のことも表します。
英語には「未来形」がありませんが、「未来」のことはちゃんと表せます。
また、「仮定法」は英語では、subjunctive moodです。この中には、どこにも「仮定」も「法」もありません。これはいったいどういうことなのでしょう?
これら以外にも、みなさんは、今まで数え切れない数の「文法用語」とその「ルール」を教わってきたはずです。
学校文法とか受験英語に批判的な方も、「過去形」や「仮定法」などの文法用語や、if節にはwillを使わないといったルールには何の疑いももたず、使っているはずです。
しかし、もしそれらが、誤ったものであり、日本人の英語力向上の妨げになっているとしたら、これほどこっけいなことはありません。
さらに、「用語」と「実態」の違いにうすうす気づいている人たちも、やはり「用語」に引きずられてしまいます。
「過去分詞」というのだから、「過去」の意味があるのだろう、とか、「仮定法」だから、「なにかの方法」だろう、とか……
本書は、このような、私たちが当たり前に思っている、どの本にも当たり前のように載っている、しかし、実は私たちの英語理解と英語力向上を妨げている英文法の真相に迫る本です。
著者の佐藤先生は、代ゼミで20年近く教鞭をとっておられるベテランであり、また、代ゼミきっての文法オタクといううわさもあります。いわば、いわゆる「学校英文法」と「英文法の真の姿」の乖離、そして、高校生レベルで英文法がどのように理解されているかを最もよく把握している方なのです。
その意味で、社会人の方にも、現在進行形でそういった英語を学んでいる高校生や大学受験生の方、そして英語教師の方々にもぜひ読んでいただきたい、そして必ず役に立つ内容になっていると思います。
英文法の真の姿(本書で言うところの「真相」)を知ることは、大学受験に役立たないなどということはなく、むしろ、英語を正しく理解して、英文を読む書くにプラスとなるところが絶大です。たとえば、本書でもくわしく取り上げている「情報構造」や「倒置の真相」などがこれにあたります。
実は(これもタイトルの一部分ですね)、もとの原稿段階では、トピックは75以上あっったのですが、読みやすさや定価の関係で、この頁数に絞りました。また、編集方針として、読みやすさ、取り組みやすさのため、1トピックを見開き2頁(たまに4頁)としました。
漏れたトピックは、「続編」で公開したいと思いますので、楽しみにお待ちください。ただし、こちらがあまりに売れないと、続編も危ういので、よろしくお願い申し上げます。
発想転換で書く 和文英訳エクササイズブック(06.07刊)
本書は、入試英作文の参考書として大好評を博した『コペルニクス英作文』の共著者が、その上級編として著したものです。本書でもまったく同じアプローチで書かれています。
すなわち、日本語を英語に直す、さらにいえば、英語を表現するのに、決まった言い方を覚える必要はないということです。柔軟にその場の状況を自分の知っている英語表現で表していけばよいという考え方です。
普通、「共著」という場合はいろいろなやり方があります。一人が書いて、もう一人が「監修」みたいな形をとっても共著とすることがありますし、完全に半分ずつ書くこともあります(その場合でも、もう半分も必ずチェックします)。
今回は、後者です。勝見先生とバーナード先生が分担を分けて半分ずつ執筆しました。もちろん、バーナード先生の執筆は英語ですので、それを勝見先生が翻訳されています。そして、勝見先生の英訳をバーナード先生が入念にチェックしています。
英訳例は、最低3とおり、多いものは6とおりも紹介されています。それぞれに、なぜそのように訳せるかの解説がほどこされています。これらは、十分に吟味されて作成されたもので、類書にない本書の最大の特徴となっています。
編集作業で苦労したのは、いかに解説をわかりやすくするかです。お二人とも非常に優秀な方ですので、「一般人」(?)には、「なんで?」と思われることも、何事もなかったように処理してしまいます。そのあたりを、指摘して、さらにかみくだいて、あるいは、「こんなこと誰でも知ってるでしょう」といった知識をあえて、解説していただくのが編集の仕事でした。
そして、分量調整です。大学や予備校などの講義では、いくらでも長く解説できますが、「書籍」という形態では、大きさ、スペースが決められています。もちろん、だらだらと長く解説することはできますが、今度は定価が高くなってしまいます。ある程度のページ数を最初から設定し、それにあわせて書いていただくのですが、それでもうまくいかない場合がほとんどです(ほとんどがページオーバー)。語学書では、そのあたりの兼ね合いをつけなければなりません。
『コペルニクス英作文』は完全な大学入試用の学習参考書でしたが、本書は、それを終えた方(もう相当数、たぶん10万人以上でしょう)が、さらにレベルアップできるようになっています。
単文・短文の例題も多いのですが、すべて時事的な話題で、すんなりと訳せない、すなわち、決まった英訳ではなく、さまざまな英語で表現できるような(そうせざるをえない)ような素材を選りすぐってあります。
奇しくも、近年の大学入試では、そのような話題から出題されることが多くなりました。
その意味で、本書は、実用的な英文ライティングの力をみにつけたい社会人にも、難関大学合格を目指す、ある一定以上の力のある大学受験生にも、最適な自習書となっています。
本書は、実際に例題と応用問題に取り組めば絶大な効果がありますが、ただ、日本文と英文を比較しながら眺めていくだけでも、英語表現の自由さと多様さを十分に堪能できる内容となっています。
音声データも無料で用意されていますので、ぜひご一読をお勧めしたいと思います。
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